武士道3
- 作者: 新渡戸稲造,山本博文
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2010/08/06
- メディア: 新書
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著者;新渡戸稲造
解説:山本博文
「花は桜木、人は武士」
...日本人の道徳観と武士道の関係について記されている本
...武士道=高貴なるものの義務(ノブレス=オブリージュ)
→日本人全体が影響を受けている
■『武士道』の内容
1武士道の起源と源泉
2性格と教え
3民衆に及ぼした影響
4その影響がどのくらい長く及ぶか
第三回:忍耐、謎のほほえみ
武士道は日本人の美徳の理想だが世界的に見ると特異な面がある
■世界から見た武士道
武士道の徳目の構造
行き過ぎた礼儀ただしさ
行き過ぎた忍耐については理解できない
■日本人の特異な行動
日本人は冷酷なあるいは笑いと憂鬱との
ヒステリックな混合であるかのような
外観を呈した行動をとる.........説明したい...11章克己
■エピソード1
挨拶をして帽子を脱ぎ、日傘をたたんだまま話す紳士
自分だけ日傘をさすのは相手に悪い
『本当の礼とは他人の気持ちを思いやる心のあらわれだからだ』
■日本人と極端な遠慮深さ
礼はときに相手と共感して私たちに共に泣き共に喜ぶことを要求する
だが自ら相手にそのまま感情をぶつけるのは失礼という意識がある
感情を出しすぎない、喜怒色にあらわさず
■エピソード2
素晴らしいあなたに素晴らしいものを
素晴らしいあなたにとってはつまらないものを
どちらも相手を褒め称えているが説明しないと伝わらない
■武士と恥を恐れる心
名誉のうらには恥がある
名誉を勝ち取るのが難しい時代になり
恥をかかないことが重要になってきた
■武士と世間
武士は支配階級であり人数が少なかった
当時、武士の世間は狭かった
内面的な規範を支える反面過剰な謙遜を強いた
■日本人と微笑
悲しみにくれた友人を訪れた外国人
相手に心配をかけまいとかみ殺す
日本人が苦痛に耐えれるのは鈍感なのかと疑われてしまう
逆境にあるときにどうしようもないので微笑みで心を隠しているのだ
■世界から見た日本人
強い勇気と明快な感情を持って自分の不幸を語らない
庶民に至るまで名誉意識が強い
庶民も武士道への追随者となっている
■武士道と大衆
最初に武士道として結実した倫理体系が
次に大衆にも追随者を生み出した
日本人はその倫理感を大事にしておりどの民族に劣らぬほど優しい
「感想」
同じ民族であればすぐに分かる心の機微
誤解されやすい行動の裏にある微妙な心理を丁寧に解説している
同じ民族の誤解を解こうとするのが伝わる素晴らしい文章である