武士道2
- 作者: 新渡戸稲造,山本博文
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2010/08/06
- メディア: 新書
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著者;新渡戸稲造
解説:山本博文
「花は桜木、人は武士」
...日本人の道徳観と武士道の関係について記されている本
...武士道=高貴なるものの義務(ノブレス=オブリージュ)
■『武士道』の内容
1武士道の起源と源泉
2性格と教え
3民衆に及ぼした影響
4その影響がどのくらい長く及ぶか
第二回:日本人の責任の取り方
名誉をとるためには死をも恐れない
■切腹の起源は?
特殊な責任の取り方
壇ノ浦の戦いの後、源義経は切腹をした
江戸時代が終わるまで切腹は続いた
モンタヌス日本史で紹介されている
■切腹という制度の本質
切腹は野蛮な風習ではない
『切腹は法律上ならびに礼法上の一つの制度だった
それは中世に発明された武士が罪を償い
過ちを詫び、恥を免れ、友を救い
自己の誠実さを示す行為だった』
■エピソード1
左近(長兄)、内記(次兄)、八麿(三男)
仇を討つことに失敗して囚われた三人兄弟
あまり深く刺しすぎるな...長兄
眼をカッと開け...次兄
三方にある脇差しを左手でとり、右手で腹を指す
■切腹と名誉
戦士としての度量を示すための切腹
敵の首をとるよりも討ち死にのほうが名誉だった
そのせいか、些細な理由で切腹する人が増えた
当時命は廉価だった
■武士が刀を抜いたとき
刀を抜いた以上、相手をしとめなければならない
相手を殺さないと切腹
相手を殺しても切腹
常に名誉の死を探している
■真の勇気とは?
死を軽んずるのは勇気の行為である
しかし生が死よりさらに恐ろしい場合には
あえて生きることが真の勇気である...第12章
切腹はひとつの制度にすぎない
天寿を全うする事が真の武士である
■エピソード2
赤穂浪士の物語
元禄14年、喧嘩両成敗になっていないので主君の仇を47人でとる
家族へ当てた手紙に、この戦いに参加することは人たるものの努めであると記す
辞世の句『あら楽し思い晴るる身は捨つる浮き世の月にかかる雲なし』
■社会の変遷
切腹と敵討の制度は刑法法典の発布とともに消えた
個より忠義を重んじる日本人の心が高度経済成長を果たしたといえる
会社のために働くのが当時自己実現の手段だった
「感想」
個を犠牲にする必要はない
だが広い視野を持って社会的責任を意識して働くことは重要だ
武士道精神は確実に日本人の心の中に残っていると思う