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武士道1

現代語訳 武士道 (ちくま新書)

現代語訳 武士道 (ちくま新書)

武士道
著者;新渡戸稲造
解説:山本博文


「花は桜木、人は武士」
...日本人の道徳観と武士道の関係について記されている本
...武士道=高貴なるものの義務(ノブレス=オブリージュ)


■『武士道』の内容
1武士道の起源と源泉
2性格と教え
3民衆に及ぼした影響
4その影響がどのくらい長く及ぶか


新渡戸稲造について
明治の教育者、農政学者
1862南部藩士の子供として生まれる
太平洋の架け橋になろうと海外で学ぶ
ついには国際連盟事務局次長にまでなった人物
日本人の道徳感の形成を記すため
武士道を体系化して出版した
武士道や日本人の美徳を世界に発信した本


第一回:武士道と日本人的道徳観
■武士とは?
10世紀から頃から登場する戦うことを生業とする者


■武士道とは?
戦士が日常生活の中で行う義務
武士は支配階級となったがゆえに
農民よりも厳しい道徳的義務に支配される
高貴なるものの義務(ノブレス=オブリージュ)を果たす事を求められた


■エピソード1
菅原道真が失脚した後息子の命まで狙われる
元家臣、松王丸が息子を源蔵のもとにやり
菅原道真の息子の身代わりにたてた
...当時忠義は愛情や孝行より上位だった

『個人は国家のため
もしくは正当な権威を掌握するもののために
生きて死なねばならなかった....』


■武士の道徳観
忠(名誉)
義  礼
勇仁知知信

義...不正を許さない心を持て、義を見てせざるは勇なきなり
知...物事や人に対して洞察力を持て
仁...慈悲の心、いたわりの心を持て、武士の情け
信...常に誠実であれ、武士に二言はなし


自分の血を注いで己の言葉の誠実さを示す(それは主君へ意見することも含まれる...)
主君の知性と良心に最後の訴えをするのがごく当たり前の道筋だった


『名誉は人生の最高善として尊ばれた
富や知識ではなく名声こそが
青年の追求すべき目標だった』...第八章


忠を果たすことによって名誉が得られる
ヨーロッパ人はバラを好む
→美しく上品だが、とげがあり枯れた花びらが残る
日本人は桜を好む
→淡い色彩だが、とげもなく散り際もいさぎよい


「感想」
必要に迫られ自身の道徳観の形成を見つめ直し
体系化した洞察力に関心する
現代にそぐわない面もあるが脈々と息づいている
部分も多く非常に面白い