論語と算盤2
- 作者: 渋沢栄一,守屋淳
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2010/02/10
- メディア: 新書
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著者:渋沢栄一
訳 :守屋淳
日本資本主義の父であり近代日本の設計者の一人
資本主義の原動力である欲望をコントロールするために
一人一人の精神修養の教本としての役割を論語に求めた
「一時の成功や失敗とは泡のようなもの・・・
そう、人として成すべき事を果たした結果残る滓のようなものだ
物事の本質を考えて果たすべきことを果たしていくことで道が開ける」
印象深い言葉:後半
#第六章#
人格と修養
人は棺を覆うて後、論定まる
社会のために尽くそうとした精神と効果によって評価する
現実と学問の調和は意識的にとる必要がある
不自由なのが当たり前だと思っていれば、足りない事はない
格物致知・・・モノの本質を掴んで理解する事
致良知・・・心の素の正しさを発揮する事
忠信孝悌・・・良心的で信頼を重んじ目上を敬う
仁・・・物事をすこやかに育むための礼節ある姿勢
#第七章#
算盤と権利
聖書;自分がしてほしいことを人にしなさい
論語:自分がしてほしくないことを人にしない
法は必要だが道徳の中で解決することも考える
人を妨害する事は自己を妨害するのと同義である
適材が権力を有する地位に就けば不要な機密はなくなる
個人の利益を求めて良いが社会全体の利益も考える
#第八章#
実業と士道
武士道・・・正義/廉直/義侠/敢為/礼儀
商工業にも武士道、商業道徳が必須である
有無相通・・・あるものとないものをお互いに融通しあう
私心が強いと人から欲しいものを奪い取らないと満足できなくなってしまう
道徳と経済活動は相反するという誤った教え
#第九章#
教育と情誼
両親に心配をかけるなら病気のことだけにしなさい
強制すれば親不孝のこどもを生み出す可能性がある
名前を売るために学問をするのではない
学問をすれば皆偉くなれるというのは幻想だ
自分の道を早くから見極めて専門性を高めたほうがよい
秀才を生み出す教育が平均をあげる教育になり人あまりになる
#第十章#
成敗と運命
運命とは人の意識するしないに関わらずただ降り注ぐ
人が人であるのは腹の中に知識が詰まっているからだ
細心の注意と大胆さの両方を兼ね備えないと大きな仕事はできない
成功など人が為すべき事を為したあとの滓である
#あとがき#
「言行は君子にとってもっとも重要な要素であり、
これによって栄誉を得るか恥辱を被るか決まる」
「言葉で多くは言わない。しかし言ったことは
徹底的に努力すべきである。」
「声はどんなに小さくても聞こえてしまう。
行いもどんなに隠してもやがて明らかになる。」
志を立てて日々を近づくように・・・