武士道4
- 作者: 新渡戸稲造,山本博文
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2010/08/06
- メディア: 新書
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著者;新渡戸稲造
解説:山本博文
:明石康
「花は桜木、人は武士」
...日本人の道徳観と武士道の関係について記されている本
...武士道=高貴なるものの義務(ノブレス=オブリージュ)
→日本人全体が影響を受けている
■『武士道』の内容
1武士道の起源と源泉
2性格と教え
3民衆に及ぼした影響
4その影響がどのくらい長く及ぶか
第四回:武士道の光と影
『武士道は日本の標章である
桜の花にまさるとも劣らない
わが国土に根ざした花である』
■明治以降の武士道
幕府の滅亡とともに武士も滅亡する
だが武士道は受け継がれて
明治維新と文明開化を成功に導いた
■武士道と自発的改革
かの島国での変化がまったく自発的であったこと...
日本が自発的にヨーロッパから文武の組織の方法を学ぶことにし、
それが今までの成功を収めてきた
■武士道と名誉心
劣等国と見下されることを容認できない名誉の感覚
そここそが最も強い動機であった
財政や産業上の考慮は改革の過程において後から目覚めてきたのである
■克己
国際平和のために命を落とした息子
他人に自分の心配をさせないようにほほえみを浮かべる
危うさもはらむが理念に自分を捧げる精神の清さかさ
■武士道と東日本大震災
未曾有の大災害で悲しみ
忍耐強い、自己抑制、弱者への思いやり
静かなる威厳を示した
■武士道の短所
どんな美徳も過剰すぎると悪になる
完璧主義で英語が稚拙
議論を穏便に済まそうとする
空気を読みすぎて特出しない
謙虚すぎるためにリスクテイカーが少ないなど
■武士道の影と再興
武士道と軍国主義の結びつきが強かったためタブー視されていた
高度経済成長の後の混迷を切り開くための価値観
日本人のよりどころとして再び注目されている
■武士道の未来
完全に絶滅する事が武士道の運命ではありえない
その光と栄誉はその廃墟を超えて長く生き延びるだろう
その象徴とする花のように四方からの風に散った後もなお
人生を豊かにするその香りで人類を祝福するだろう
■私欲と公共精神
人の命は鴻毛より軽い、あるいは泰山より重い
ひとりひとりが自分の欲望を超えて
社会のためにも尽くす生き方を説く
価値観が多様化する中でも軽視することはできない
「感想」
自己犠牲の精神は行き過ぎると悪であるが今一度考える必要がある
自分が可能な範囲で公共のため社会にできることはないか?
それは自己犠牲というより自己実現に近い