臨床ユング心理学入門4

臨床ユング心理学入門
著者：山中康裕

第三章
臨床ユング心理学の個性化過程

印象的な言葉メモ＋要約メモ。
「人生の自然な終着は老いではなく叡智である」

□神とユング
あるインタビューで・・・I know the God
宗教的体験が豊富だったユング
神を信じていなかった父との隔たり

□石の上のユング
中国の荘子「胡蝶の夢」
夢を見ている自分が本当の自分なのか？
夢の中で飛ぶ蝶が本当の自分なのか？
幼少から自己の存在を見つめたユング

□神経症とユング
立ち向かわなければならない問題からの逃避
これではいけないという心の声がするまでの
問題に立ち向かうためのエネルギー貯蓄期間

□精神医学とユング
ブロイラー教授に師事する
1900年、フロイト「夢解釈」の発表
ブロイラー教授とユングは感銘を受け
フロイトと親交を深める・・・
「イマーゴ」概念
大人の行動や決定に影響力を持つ内面的な象
幼少期の愛情関係にある両親の姿からつくられる
「教育分析」概念
治療者になるものは治療者の分析を受けなればならない
見解の違いによるフロイトとの離別

□錬金術とユング
いまでは荒唐無稽と思われている錬金術だが、
物質が金になるまでの変容過程と人間の自己実現過程の類似
錬金術：白化→黒化→発酵→結合→変質→腐敗→昇華

□個性化とユング
個性化＝自己実現＝人格の統一に導く過程
・心の平静状態
・死をおそれない状態
・人とのつながりが安定している状態
到達という高みだけでなくあるがままの状態でよい

□個性化の例
精神科医：神谷恵美子
ハンセン氏病を病む精神病患者のために一生を捧げた人物
妙好人：一生野良仕事をきままに行う人
どちらも個性化の例である
かくあらねばならないというものは存在しない
人の多くは30代に転換期が存在し自己との対話期間
が必要になる・・・
「人生の自然な終着は老いではなく叡智である」