Riverside Learning LABO(Skill/Idea/Code)

よりよいシステムのため工学系と人間系の学習下書きメモ

パンセ2(自己愛の功罪)

パンセ (中公文庫)

パンセ (中公文庫)

パンセ
著者:パスカル
解説:鹿島茂


#第二:誰かにもっと褒められたい#
パンセ(pensee)は考えられたもの、どこから読んでも自由だ...
「人間は考える葦である...目から鱗の言葉たち」
自由を与えられた人間の苦悩に答えた書物
人間は迷いやすく愚かで矛盾に満ちている
自己愛は諸悪の根源でありすべての原動力である


■パンセとは?
パスカルのメモの山をまとめたもので924の断章からなる
どこからでも好きなところから読める書物


■真実は人を傷つける
偉い人にはゴマをスルものがなぜ出世するのか...
どこにでも存在する話、理不尽はいつの時代にもあるものです
100章「世間での地位が上がるにしたがって人は真実から遠ざけられてゆくものである
真実を伝えることはたいていは伝える人にとって不利益にはたらくようだ
真実ゆえに、憎まれることになるからだ」
→真実は人を傷つけやすい


■恨まれることを覚悟して叱責するしないを決める
上に敬意頭ごなしに叱らないようにしているが支持が得られない...
100章「人を叱らなければならない立場の人が示してしまう、
誤った心遣いというものがある
相手を傷つけまいと回り道をしたらい、手心を加えたりして
いろいろと気を遣わなければならないからだ
どころが、あれこれ手を尽くしても叱責というこの苦い薬は
相手の自己愛にとって苦いことに変わりはない
そしてたいていは薬をくれた人にひそかな恨みを抱くようになるのだ」
→自己愛を傷つける以上恨まれるのを覚悟して叱責するしないを決める


■自己愛が諸悪の根源である
100章「自己愛の本質とは自分しか愛さず自分しか尊敬しないことだ。
しかし人は次のような場合に人はどうしてうよいかわからなくなる。
愛して病まない自分が欠点だらけで
悲惨のどん底にあるのになす術がない場合である
このような困惑のなかに置かれると
人間のなかに最も不正で罪深い情念が芽生えてくる
自分の欠点を誰の目にも触れないように
覆い隠そうとして、全力を尽くすのだ」
→自己愛が諸悪の根源である
 良い面を見せるのも、悪い面を隠すのも自己愛である


■自己愛はなくせるのか?
他者とかかわる以上自己愛から逃れられない
誰かに褒められたくて、ブログで自慢ばかりしてしまう...
150章「虚栄は、人間の心に非常に深くいかりを下ろしている。
兵士も、料理人も、誰もがみな、それぞれに自慢ばかりして賛嘆者を欲しがるのだ
哲学者だって同じだ、そうした人達へ批判を書く人だって的確だとほめられたいのだ
批判を読んだものも読んだという誉れがほしい。これを書いている私ですら、そうした
願望を持っているだろう。そしてこれを読む人だって...」
→みんながみんな褒められたい...逃れられない虚栄心。


■ドーダ理論
東海林さだおが提唱
陽ドーダ:強さ、大きさを示す
陰ドーダ:弱さ、小ささを示す
→すべての行動はドーダにつながる


■自己愛が欲する名声の追求
140章「人間の最大の卑しさは名声の追求にある、しかしまさにそれこそ
人間の卓越さの最も大きなしるしなのだ、なぜなら人が地上でどれほどのものを所有しようと
どれほどの快適さと健康を得ようと、その人は人々から尊敬されていなければ満足できないからだ」
→人間を発展を支えてきた自己愛
 すべてを否定し、だがそれは良い点でもあると示す