饗宴2
- 作者: プラトン,久保勉
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2008/12
- メディア: 文庫
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饗宴
作者:プラトン
解説:納富信留
「美を求める人間..」
第二回愛と欲望の正体
■有名な愛の神話
アリストファネスが語った
赤い糸には神話が関係している
人間は元々頭が2つ手足が4本ずつあった
その人間をゼウスが半分に切り離した
失われた半身を求める
その人間を導くキューピット(エロース)
伴侶(one's better half)
ギリシャ神話にはこういう話はないがユニークな作り話
■愛の意外な正体
自分の半身が戻ったからといって幸福になるだろうか?
昔ある女性におしえのうけた
巫女ディオティマは語ってくれた
神は不死なる者で完全である
人間は死すべき者で不完全である
美を求めるエロースは死なないが完全ではない
死すべきものと不死なるものの間にあるダイモーン(精霊,悪魔)
神と人をつなぐものである
真実を議論の中でみんなで追求していく...
■エロースの出自
美の神アフロディテーの宴会
工夫の神ポロスと貧しい女性ペニアの間に生まれる
満たされぬ渇き
美を求めて工夫する力
知恵と無知の真ん中にあるもの
神々が知恵持っているのでもう求めない
人間も無知であるか故に欠乏していると思わず知恵を求めない
知を愛し求めるものが中間にいるもの、そのひとりがエロース
人間と神の間、無知と知の間
エロース=人間のあるべき姿
知恵を求める人間のあるべき姿である...
■哲学
philosophy
知恵(sophy)を愛する(philo)という意味
人間はすべて哲学者であるべきだ
■欲望万能型社会への警告
どういう愛が人間として正しいか?
欲望というテーマが隠されている...
人間は欲望とどう向き合うべきだろうか?
他人より多く、今より多くの世界は最終的に皆不幸になるのではないか...
スパルタ率いるペロポネソス同盟とアテナイを中心とするデロス同盟の戦い
ペロポネソス戦争で敗退
今の欲望社会に意味はあるのか?
何を求めれば幸福になるのか??
■本当の愛を語る
人の興味を引く弁論が良いわけではない
真実を追求する言葉を紡ごう
■感想
真実を追求する求道者の姿勢が素晴らしい