変身3(不安定な世界)
- 作者: フランツ・カフカ,Franz Kafka,高橋義孝
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1952/07/28
- メディア: 文庫
- 購入: 18人 クリック: 359回
- この商品を含むブログ (359件) を見る
著者:フランツ・カフカ
訳 :高橋義孝
解説:川島隆
#第三回:居場所がなくなるとき#
不条理小説の原点...
「人間は自分の中に不壊者ががいるということを
意識することなくしては生きていけない」
■しがらみから解放=危険と隣り合わせ
グレーテのバイオリンに失望する間借人
グレーゴルが怒って出てくる
家族は姿を見せたグレーゴルを非難する
グレーゴルは弱り切ってやがて息をひきとる...
■家族の耐性の変化
食事はグレーゴルの好物を考える
食事はありあわせの物を足で入れる
掃除は頻繁にする
掃除はおざなりになる
家族が働きだして距離が出来る
■物語の最後
あれがグレーゴルという考えから脱却しないと...
しがらみから解放されることで消えてしまう
グレーゴルの死に安堵する
家族は郊外にピクニックにいく
妹が美しくなっていることに気づく
家族はポジティブな方向に向かっていく
■カフカの不安
自分の居場所を失うのではないかという不安
オーストリアハンガリー帝国の支配下
ドイツ語を話すユダヤ人の排斥
貧しいユダヤ人への後ろめたさ
ユダヤ人というカフカのアイデンティティ
■城
城の伯爵に呼ばれた測量士主人公K
家族を残して城へ向かうが城へ辿り着かない
助手は許可がいると言う
執事は来なくて良いと言う
使者はつれていってくれる様子がない
長官の愛人に取り持ってもらうこともできず
村長はそんな仕事はないと言う
未完の作品
■社会への見方が変わる
20代で変身を書いたカフカ
1870年から長い不況へ
多くのユダヤ人難民支援のボランティアに参加して
居場所をなくしても懸命に生きる姿を見る
居場所を見つけられないから書き続けた
■不安定な時代
自分が何をしたいかが分からない
自分の居場所が分からない
不安定な時代を生きる
不安をストレートな表現しているカフカ
自分を写し見る鏡のように読める
居場所なんてないよと言われて
居座るか消えるか、、、どちらも選べる