Riverside Learning LABO(Skill/Idea/Code)

よりよいシステムのため工学系と人間系の学習下書きメモ

変身2(相反する感情)

変身 (新潮文庫)

変身 (新潮文庫)

変身
著者:フランツ・カフカ
訳 :高橋義孝
解説:川島隆


#第二回:前に進む勇気が出ない#
不条理小説の原点...
「人間は自分の中に不壊者ががいるということを
意識することなくしては生きていけない」


■虫であることを慣れていく描写
虫であることになれてきたグレーゴル
妹は献身的に世話をしてくれる
だが家族が自律をし始め家族との距離が出来始める
母お針子、妹店員、父用務員と皆働き始める
ある日母親が息子の姿をみて気絶してしまう
父親が怒りのままリンゴを投げつける...


■相反する感情
すべてのつながりを断ち切りたいグレーゴル
家族も気を使ってグレーゴルに接している
孤独である事の楽しさと寂しさ
窓から外を見ることで人とのつながりを感じる
しがらみから逃れたいと思いつつもつながりたいという
アンビバレント(相反する)な感情


カフカが抱えたいたジレンマ
仕事、家族、結婚
フェリーツェ・バウアー
当時は珍しいキャリアウーマン
二度婚約したが、二度とも婚約を解消
結婚に向いていないという理由
結核になってしまったという理由
ひたすら手紙を書き続けた日々
会いましょうよ、いや会うのはちょっと...
小説を書く原動力となっていた


■当たり前のことができない人間
筆記用具とランプを持って地下室の穴蔵で
食べ物を運んできてくれる生活
僕と結婚したらこんな面倒なことになりますよ
精神的に結婚できない
結婚を決めた瞬間から不眠と頭痛
誠実すぎることが仇となる


■自身を客観視できる作品
当たり前のことができないところから始まる
物語が進むと家族と会話することもできない
家族から否定された事に絶望していく
前に進む事ができないことに共感する人も多い
自分がなんに止められているのか
客観的に見れる作品である