Riverside Learning LABO(Skill/Idea/Code)

よりよいシステムのため工学系と人間系の学習下書きメモ

純粋理性批判

純粋理性批判

純粋理性批判

純粋理性批判
(Kritik der reinen Vernunft)
著者:イマヌエル・カント

[最初]
■前書き
人間の理性が担う諸問題についての古典的名著。
ライプニッツなどの存在論形而上学と、
ヒュームの認識論的懐疑論の両方を継承し、
批判的に乗り越えた西洋哲学史上、重要な著作。
私たちは何を知り何を成すべきか...
また何を望む事が許されるのか...
私たちは認識することによって世界観を得ている
認識・・・人間が主体となって対象を把握すること
認識論の歴史の中で偉業を成し遂げた人物がカントである


■哲学基本課題
世界にはなにが存在するのか?(存在論
私たちはなにを知りうるのか?(認識論)
認識論に関する古典である


■認識論の分類
大陸合理論・・・理性が対象を知っている(理性>経験)
イギリス経験論・・・経験したから知っている(理性<経験)


■認識論の危険性
経験なしでも理性が知っている・・・独断へ陥るの危険
経験なしでは信じられない・・・すべてを疑う懐疑論へつながる危険
→それでは経験できない形而上学自体が意味のないものに・・・
 →形而上学の再興を誓い人間の認識の限界を把握しようとする


■理性批判
因果律は科学的知識の前提条件であるが
ヒュームは因果律でさえ人は経験できないとした
原因と結果のみを知ると解いたのである
それではすべての科学は虚構となってしまう
それに対抗して理性を吟味し客観性を持たせようとした
そのため理性を分析するために理性批判哲学と言われる・・・


■認識論の統合
認識は対象に規定されるのでなく
認識が対象を規定するという発想の転換により
合理論と経験論の統合を果たす


■感性+悟性=認識
経験から得られる認識といえども経験のみで成立しているわけではない
認識には感性と悟性が必要だとした
感性は対象を認識する受容作用・・・直感(感じたまま)
悟性は対象が何かを考える・・・概念化(意味づけ・カテゴライズ)
直感と概念の一致が経験的認識になるとした
さらに経験に先立つ認識もあるとした


■経験に先立つ認識
ア・ポステリオリな認識・・・経験に基づいた認識
ア・プリオリな認識・・・経験に先立つ認識
→(普遍的・必然性)を持つ
→法則性があり学問的に意義がある
さらにア・プリオリな認識のなかのア・プリオリな総合判断が意義があるとした
ア・プリオリな分析判断(主語に述語が含まれる)
ア・プリオリな総合判断(主語に述語が含まれず新しい意味が付与される)


■物自体と現象という考え方
物自体は対象のあるがままの姿・・・認識不可能
現象は対象が人間にあらわす姿・・・認識可能


■感性と悟性の基本形式
[感性のア・プリオリな形式]
物体を消す事ができても占めていた空間は消せない「空間」「時間」
空間と時間の窓を通して世界を見る


[悟性のア・プリオリな形式]
悟性が判断を行う仕方をカテゴリーとして分類した
「分量」「性質」「関係」「様相」
「分量」単一性、数多性、総体性
「性質」制限性、否定性、実在性
「関係」相互性、因果性、実体性
「様相」必然性、存在性、可能性


■感性と悟性の基本形式によって認識されたものは客観性を帯びる
客観によって対象が与えられ悟性がこれを思惟する
修正し、対象が与えられるときも悟性が必要だとした
悟性のカテゴリーによる統一があってはじめて対象を認識できる
直感だけでなく悟性も対象成立の条件であるならその客観性は保証できるとした
(ある物体Aがある物体Bと衝突した結果物体Cになる・・・AとBの因果律フレーム)
認識の成立と対象の成立は同時に置こる・・・
認識の成立する条件は同時に対象が成立する条件でもある