Riverside Learning LABO(Skill/Idea/Code)

よりよいシステムのため工学系と人間系の学習下書きメモ

読書 彼女は1人で歩くのか?

こどものひなまつりの日.
一挙手一投足に拍手がされる時期。
両親の送迎も終わり一段落ついた。
こんなとき何を読むかだと技術書より小説だろう。

人工細胞の移植技術によって人間の寿命は半永久的になった時代
資本主義が崩壊した後にくる持続可能性を合理的にデザインした社会
この社会はいったい誰のものなのか。

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理想的な環境のなかで生きる人々が緩やかに死んでいく世界
子孫が生まれない閉塞感の打開策を模索する
人間から生まれた人間と人間によって作られた人間は判別できないほどだ
差を測定/把握することで、その差を埋める解を得ることにもなる

読書 君たちはどう生きるか

君たちはどう生きるか
吉野源三郎

君たちはどう生きるか

君たちはどう生きるか

自分のこどもにもよんであげたいことば。
あたりまえにたいせつにしたいことについて優しく書いてある優れた作品。

印象的なことばメモ
君が人間て分子なのかもと言った時、僕は心を動かされた
みんなが集まって世の中を作っている
損得に関わることになると自分を離れて正しく判断していくと言う事は非常に難しい
君もそろそろ世の中や人間の一生について本気で考えるようになった
ただ目や耳が備わっているだけではなくそれを味わうだけの心の瞳心の耳が必要だ
最後の鍵は君自身の他にはない、自分が本当に感じたことを心を動かされたことから出発する
貧しさに対して微塵も侮る心持ちを持っていないと言う事は素晴らしい
勉強を妨げるものがない、人類の築き上げた資産を自由に獲得できる
芸術の世界だって生み出してゆく人は受け取る人々よりはるかに重要
値打ちがある事業は人類の進歩に役立ったねばならぬ
失敗してもきっと何度も背中を押してくれる
辛いことや苦しいことに出会い人間がどういうものであるかを知る
人間が悪みあうことで苦痛を感じるのはもともと敵対したくないからだ
人間らしい痛みとはするとは、目に見えないことで心が血を流すこと
誤りは真理に対して、ちょうど睡眠が目覚めに対すると同じ関係にある
人が誤りから目覚めて再び真理に向かうのを私は見たことがあるbyゲーテ

開発 デスマーチ

デスマーチ ソフトウェア開発プロジェクトはなぜ混乱するのか
エドワードヨードン

デスマーチ 第2版 ソフトウエア開発プロジェクトはなぜ混乱するのか

デスマーチ 第2版 ソフトウエア開発プロジェクトはなぜ混乱するのか


ソフトウェア開発の古典を久しぶりに再読。
[概要]
ソフトウェア産業は成熟しているとは言えない。
成熟していないから、デスマーチはどこでも起き得るもので例外的なものでは無い。
何もしないとデスマーチになるので、最重要機能の見極めと他は作らないことにするのが良い。
難しいが…失敗すればもっとうまく失敗するようになる。
デスマーチは政治、国際化
規制緩和、規制強化、事故、楽観主義などが原因で発生し発生すると制御が困難を極める。
だが制御しようと試みなければ悪化の一途を辿るし、その試みは活きる。
キーワードその1:最優先事項に絞り込んで開発する「トリアージ
キーワードその2:組織内外での「失敗の共有」

開発者と使用者のITリテラシーの向上が不幸を減らす
果たして過去の話にはできるほど業界的に成熟しているのか?
失敗を糧に過去と比較して計画的なプロジェクトが増えている話は聞く
要求事項と実装の両面を正確に理解した設計、優先度をつけた現実的な計画
プロトタイプやモックアップによる仕様合意とそれを許容する計画
学習する組織が増えていくが、計画的で高品質はサービスにつながる.

読書 生産性

生産性
伊賀泰代

生産性―――マッキンゼーが組織と人材に求め続けるもの

生産性―――マッキンゼーが組織と人材に求め続けるもの

メモ書き,
・リーダーシップは全員が持つべき
・生産性の分母と分子の両方を意識する
・生産性向上アプローチ、革新と改善、分子を減らす、分母を増やす
・コスト削減だけ頑張っても対応は難しい、機能を絞る?
・定形業務の生産性を上げる
・Time for Innovationには生産性改善は不要
・Motivation for Innovation
・知的好奇心からの、問題解決への強い要求からのイノベーション
・制限のなかでいかにいいものをつくるか?
・転職活動をしていない人材とざっくばらんに話せる機会を設ける
パラノイアしか生き残れない
・量から質への変化
・残業規制も量のコントロールにすぎない
・成長とは生産性を上げること
スキルアップを図り仕事の分散を可能にした
・休暇の取得率や成果の比率の変化率を評価するetc
・トップパフォーマーの潜在力を引き出すてめに
・トップとハイの双方にそれぞれのタスクとチャレンジ目標を
・社内のトップパフォーマーと比較する
・成長している感覚が鈍化したとおもうとき転職を考える
・決断力、リーダーシップ、洞察力は困難なプロジェクトで磨かれる
・人材を諦めない組織、会社からの期待を示す
・成長のための具体的フィードバック(強みと弱み)
・管理職の指名はチームの生産性の向上、部下育成を成果向上は両立する
・誤った判断でも決断しないよりマシ
・仕事をブラックボックス化しない
・やめられる仕事はないか考える、スキル移転はできている?
・チーム全体の生産性が高めるためにアドバイスする
・伝達可能にできない状態に放置しているともとれるあの人しかできない
・3割と3%の数値を意識する、革新と改善
・ロールプレイング研修、対顧客、会社、部下
・正解の問題に対して解をだしていく
・コミニュケーションはリスクフリーで効果が高まる
・仕事をやめたい部下との面談
・ゴールが何かをスタート時点で意識する
・必要な情報のみを集めてアウトプットを出す
・ブランク資料をつくる、目次やレイアウトの合意
・頭の中で資料をつくる、情報偏在バイアスを意識する
・会議アジェンダは具体的に[決断][リスト化][共有][合意][次STEP]
・資料は説明させない
・意思決定をロジックを明確にする、必要な情報を載せる
・セッティング効果、事前説明や資料だしタイミングを制御
・賛成でもあえて違うんじゃないか?をきくデビルズアドボケイト
・希望するワークスタイルで働ける環境
・イシューからはじめよ、何が問題なのか?をきちんと理解して対応すること
おわり

読書 日本人を考える(後半)

日本人を考える
司馬遼太郎対談集


古い本だが恐るべき先見性を垣間見ることができる本


「日本人は臨戦体制民族」
空海は海外の存在をエッセンスを抽出して日本で再組織して結晶体にして高野山に置いた、日本文化の思考成立過程
日本人は隙のない完全なものを目指す
日本人は現実に見たら話と違っていたらすぐに理解を変える
?は横の関係、日本では発達せず
次代に託すと言う考え方は日本人の土壌の中にある


「猿が背広を着る時代」
人とはあまり接触しないと自分がだんだんわからなくなる
人間と言うのは器量に従って使える金がある
自分が〇〇正しいということわないだろう


「人工日本語の功罪について」
明日は雨が降るでしょうではなく明日は雨が降ると言っていた、日本は明治以前は未来形がない
文章はもともと難しいものだったが読み手の数が増えるにつれて優しくなった1時反発もあったが結局優しくなった
生きると言う事は非常に猥雑な現実との妥協
フランス語は昔からある言葉にいろんな意味を持たせている
若い人に教える場合教える内容に自身が感動していなければ伝わらないものがある
日本語は音素が1番少ない


「中国とつきあう方法」
山水画は仙人がいるところを描いたもの
宋代代の後腐敗を許しがたいと言う精神が出てきて王陽明陽明学を立てる
天下の憂いに先立って憂い、下の楽しみに遅れて楽しみ
古い国ではいくら革命しても純粋な世界は作れないのではとも思う
孔子の礼、人間成立の基本
成功すると何かと言うと文化的なことをやりたがる

いじょう

読書 日本人を考える(前半)

日本人を考える
司馬遼太郎対談集


古い本だが恐るべき先見性を垣間見ることができる本


「日本は無思想時代の先兵」
大学の数が多ければ多いほど良い
単層社会から重層社会へ
徳川家の先祖はとき時宗の遊行僧
日本は組織のためにエネルギーを捧げる、これはかなりきつい文化だ
思想と言うものは伝染病みたいなもの
1900年から1,950人が江戸明治の解体期
破壊工学いかに上手に壊すかと言う技術
ものを作るときに初めから壊すときのことを考えてことつける
何もしない人間が必要になってきた
情報産業はまだ黎明期、能率を上げるための手段ではなく想像というか遊びの生死に関わりがある
政治も仕事も調整しかないのなら機械的コントロールタワーになってしまえばいい
大東亞共栄圏が日本の国防思想の原型だがそんなことができない、世界の交差点で酒盛り皆が避けてくれるようになると良い


「あっけらかん民族の強さ」
政治とはフィーリング、民族同士の好き嫌いの感情抜きにしてはわからない
日本は相対的思考法の国です
祖父の姿で絶対がないことを知り、さらに絶対性を考えるようになる
日本人はよく言えばお人好し、悪く言えば無責任
カトリックはただ1つの神が絶対的な存在で後は全て相対的
日本の場合は他所から借りてきて使い回して新しいものをよそに求める
西部開拓で落語者や病人も多く出て救済するのが宗教の1つの役割だった
欧州の考え方、原則と秩序と能率、疲れる
日本民族の相対的思考体質は我々を救っているのかもしれない
融通無碍、日本人と言うのは大変バイタリティーがある不死鳥のような民族
外国へ出ていく必要がある
原則を守る粘着質の強い民族がたくさんいる中で、
あっけらかんとした性格を保ちつつ、対等に渡り合っていく必要がある


「西洋が東洋に学ぶ時代」
西洋文化東洋文化も両方理解している民族は文化的チャンスに恵まれている
禅をやって悟りを開くのは天才だけ
明治以降の日本の発展に、儒教が貢献した
今うちにこもる時期ではないか
日本は二本の足で歩く必要がある、東洋の足と西洋の足
南無妙法蓮華経今日は外へ外へ
南無阿弥陀仏はうちへうちへ
狭い島国の中の単一民族の中で排他的なエネルギーが大きく1つあると困る


「日本の繁栄を脅かすもの」
イギリスの苦しさと言うのは核兵器を持ったことが原因だと考える、1度持てば手放せない
国連ではエネルギーの使用量を文化水準の指標に良いとしている
査察にも言い分を聞いてもらい理詰めで反対できないようにする
日本の人工衛星日本の原子力発電世界に疑われる時代があった
日本としてはこれだけは一流になるを決めてそれを推進する
フランス人は財産の3分の1を外国の銀行に3分の1を金銀財宝に残りを数字で出している


「政治に教科書はない」
和睦論を引っ込めて徹底交戦し逆にやらされて相手の力を仲間に理解させる
日本人は日本が嫌になっても外に出て行かない
無能な人間ほど精神主義をやかましく言う
時代時代の政治情勢で口封じのフレーズを集めていくと日本人の意識史がわかる
大久保利通は長期のビジョンも構想でき実現するための手はずも考えることができた
大仕事がしたいならおべっかを使ってでも俺の権力を利用してみろ
権力の秘密を知るには異民族を統治するのが1番良い
日本は井の中の蛙でやがて大戦で負けるだろう
世論は官僚の議論であって政治家の議論ではない
血で血を洗う暗闇と混乱があったからこそ妥協の機会主義が生まれている



「若者が集団脱走する時代」
時代の特徴や問題は若い世代に極端化して反映されやすい
社会は30年で秩序の動脈硬化がどうしようもなくなる
思春期に精神的な発展に失敗する人々はおしなべて仲間を作れない、仲間を作ると社会の規則や圧力に打ち勝てる
他人の中に自分と同質のもの見ることで仲間が成立する
健康な状態になるためには困難な状態に落ち込むことが必要である
父親が後に精神世界の扉を開かせる存在、敵として
出くわした困難を受け止めていく姿勢が大事である
困難に立ち向かってこそ進歩がある
人間社会は善意の独裁者が運営してるのが1番効率が良い
自分の外側だけをいくら批判しても本当の解決にはならないと思う、そこを若者には伝えたい
自分の足している集団を相対的なものとして受け止める

読書 読みの整理学

読書読みの整理学
作者 外山滋比古

「読み」の整理学 (ちくま文庫)

「読み」の整理学 (ちくま文庫)

感想
アルファ読み(既知を読むこと)とベーター読み(未知を読むこと)
混合読みが実際は多いが、繰り返し繰り返し心に響く本を読んで
やがて未知を読めるようになるというおはなし。面白い。

抜粋メモ
13 頭から謝りと断ずるのは乱暴である
17 わかることは読めるがわからないことは読めない
21 読めなければ書いた方が悪い?
28 欧米読みに比べて日本語の読みは難しい
34 リーダースダイジェストわかりやすさへのシフト
38 難しいものをわかりやすくは書き手の手腕といわれる
54 ころがる石にこけはつかないの意味
59 彼は石のごとく読んだ
62 読めて読めない危険

68 教育はことばによって未体験を準経験する作業である
88 面白い雑誌は人物土地書物について優れた文章を載せていること
93 悪文も文化に貢献してきたのでは?
95 芸術的欲求の心理学者というもの
99 悪文2つ、良文も2種類

106アルファ読みとベーター読み
109アルファ読みが社会の欲求
112教育への関心、ことばへの関心は高くない
116母乳語と離乳語、物体から離れる
121ことばの限定用法と精密用法
124なぜか?を説明する家庭は知能高い
130文学作品には2重の読みが可能
141わからないところがあるから面白い
147一挙に本丸から攻める、素読という手法
156韋編三絶、繰り返し読む
165めいめいの古典を見つけよう
170読書のカーテンをひいて現実から脱出
175頭のいいひとは足の速い旅人、見落としもある
177新しい思考こそもっとも多彩な未知のせかい
204作者は作品を生む、読者は古典をつくる

読書 夜間飛行

夜間飛行

サンテグジュペリ

 

夜間飛行 (新潮文庫)

夜間飛行 (新潮文庫)

 

 

「美しい文章、意思が伝わる文章.

自由と制約、人間の意思はどう洗練されるのか」

 

・彼の厳格さは、人間に向けられるのではなく、人間の持つ欠点に向けられる、彼は人間の欠点を矯正しようと言い張るのだ
・人間の幸福は、自由の中に存在するのではなく、君の慣習の中に存在するのだ

・貧しさも富の1種だと知って....
・夜が見せている、あの呼びかけ、あの灯り、あの不安、あれが人間の生活だと知る

・飛行場の意思を出発に向けて緊張させた

・関係は位置相応にしていなくてはいけない、君には個人として他人を犠牲する権利なんかまるでありはしないのだから

・過信が尻尾を現したときに見逃す事は罪悪だ

・愛されようとするには同情すればいい、ただ僕は決して同情しないわけではないが外面に表さない
・ただ規則任せにすると、、早晩事故が起こる

・経験が法を作ってくれる

・行動が死滅から救ってくれる

・僕の一生もどうやらこれで仕上がった

 

 

読書 名著講義

名著講義
藤原正彦

名著講義 (文春文庫)

名著講義 (文春文庫)

十数年続けられた読書ゼミについてまとめたものです。
本著で取り上げられている12冊の1冊.
過去読んだ内容を思い出すし対話形式なのは面白い.

本著で取り上げられている12冊。
新渡戸稲造 「武士道」
内村鑑三 「余は如何にして基督教徒となりし呼」
福沢諭吉 「学問のすゝめ」
日本戦没学生記念会編 「きけ わだつみのこえ
渡辺京二 「逝きし世の面影」
・山川菊英 「武家の女性」
内村鑑三 「代表的日本人」
無着成恭 「山びこ学校」
宮本常一 「忘れられた日本人」
・キャサリンサンソム 「東京に暮らす」
福沢諭吉 「福翁自伝
藤原正彦「若き数学者のアメリカ」「孤愁」

新渡戸稲造 「武士道」
15 絶対服従が武士道ではない
19 なんでもかんでも議論して決めなさいが良いとは限らない
23 選択肢が多いときに軸となるものがいる、武士道はそのひとつ
29 法で縛るよりも恥で縛る文化
31 ただ学問をやるには権威に歯向かう必要がある
33 物語の死の違い、競技や制度の成り立ちを知っているか
37 単一の宗教だけでは人類の諸問題に対応できないことが立証されている
37 心は伝統の宗教で、形は武士道で..

補足:武士道とは.
武士道は一言で言えば、騎士道の規律、武士階級の高い身分に伴う義務(ノブレスオブリージュ)である
武士の生き方の有機的産物であった
われわれは過ちの中からでさえも美徳が生まれることを知っている
鏡、鏡は人間の心の表象である、心が完全に落ち着き清明であるときそこには神の姿見ることができる
switchback.hatenablog.com

以上