老子3
- 作者: 老子,蜂屋邦夫
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2008/12/16
- メディア: 文庫
- 購入: 9人 クリック: 71回
- この商品を含むブログ (39件) を見る
水のように生きよ
上善水の如し...
[人の活かし方]
解説 歴史学者 蜂谷邦夫
■老子の統治論
大きな国とは水の下流のようもの
すべてのものが混じり合っている
大きな国は小さな国にへりくだれば
小さな国を治めることができる
→そうすることで戦わずに勝つことが可能になる
大きな国が勝ったとしても戦争が起きれば人が死んでしまうのだ
■戦略的駆け引き
将に之を縮めんと欲せばと必ずしばらく之を張れ。
将に之を弱めんと欲せばと必ずしばらく之を張れ強めよ。
将に之を廃せんと欲せばと必ずしばらく之を興せ。
将に之を奪わんと欲せばと必ずしばらく之を与えよ。
■大国を治むるは小鮮を煮るが如し
→ちょこちょこちょっかいを出すと煮魚をつけは煮崩れしてしまう
人民に干渉しないことがいい
チームメンバに干渉しすぎる人はよく覚えておいてほしい
部下の自主性引き出せるリーダーがもっとも素晴らしい
1.存在を意識されるのみのリーダー
2.敬愛されるリーダー
3.畏怖されるリーダー
4.侮られるリーダー
■無為にして治める
その政、悶々たらばその民淳淳たり
その政、察察たらばその民欠欠たり
立派なリーダーは軽々しく言葉を発しない
→のびのびさせるとひとは純朴に
きつきつにするとひとは狡猾に
■理想のリーダー
之を持って聖人は方にして而も割かず、
廉にして而も破らず、
直にして而も肆ならず、
光ありて而も輝かず
→自分は正しくても人を傷つけない
切れ味するどい性質でも人を突き刺さない
自分はまっすぐでもそれを押し通さない
知恵があっても人に誇らない
...力をひけらかすことなく人を導く
■小国寡民
自分たちの衣服を美しいと思い
自分たちの食べ物を美味しいと思い
自分たちの住まいを安らかだと思い
自分たちの暮らしに満足している
→民の幸せを最優先する理想郷
<感想>
大国を治むるは小鮮を煮るが如し、小国寡民など
ほんとうに最近注目されているモチベーション管理や
持続可能な社会の構想に似た思想を見る。
理想論だとしても先進的ですばらしい。