選択の科学5(選択と幸福度の関係)
- 作者: シーナ・アイエンガー,櫻井 祐子
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2010/11/12
- メディア: 単行本
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著者:シーナアイエンガー
「私は自分が何者かを発見するために選択する」
第五回「幸福になるための技術とは?」
直感と理性の選択への影響について知る
あふれ返る選択肢を整理する方法を知る
では選択を洗練させていき何を目指すのか...
人生とはすべての選択を積み重ねたものだbyアルベールカミュ
■どうすれば幸せになるか?
ベンサム、カント、プラトン...
インナーコア(内なる核)を発見すること
それは自分自身が何者なのかを知ること
真実の自分を自分の中に見つけること
自分が掘る彫刻はすでに石の中にあるbyミケランジョロ
個人のアイデンティティの確立の作業と似ているという
■幸せとは?
安全で快適であることか
平和で満ち足りていることか
目的を達成出来たことか
自分自身のコントロールか
→一意には定まらない、選択を惑わすものを知る
■幸せのための選択を惑わす障害物とは?
Pros良い点Cons悪い点は大きな決断には役立たない
どうやって選べば良いかは教えてあげよう
列挙した良い点と悪い点を書き出す
4日間考えて書き出した物に重さをつける
byベンジャミンフランクリン
■就職活動を行う満足者と追求者の追跡
就職活動に対する姿勢でグループを分ける
満足者:直感で探す比較しない、絶対的な指標で見る
→給与や取得採用通知数が低いが幸福度が高い
追求者:理性で探す、比較する、相対的な指標で見る
→給与や取得採用通知数が高いが幸福度が低い
■幸せを妨げる4つの罠
1数値にこだわりすぎること
2自分のほしいものが分からない
3幸せをもたらすものへの過度の期待
4分かっていても間違った選択をしてしまう
■どうやって運命の伴侶を見つけるか?
9ヶ月後にどうなっているか?
1YES,NOで直感で答える
2理由を答えてもらう
→1のほうがあっていることが多い
■ソウルメイトに求める条件
尊敬できて知的で優しい人
一緒に居て無理をしない人
同じ優先順位に興味がある人
個人が自覚する表面的な条件は本質ではない場合が多い
→すべての恋愛は例外をつくることである
■オンラインのマッチングサイト
収入、外見、活動などのデータを入力し検索する
数値化されたものを見ても本質はわからない
選択肢が多いから良いとは限らない
→本当に大事な物は数値化、一般化できない、会って分かる
■就職と満足度
年収、休暇、業界、成長度などを比較して選ぼうとする
多くの人が就職活動を通して重要視する項目が変動する
自分が重要視すべきものが最初は分かっていない
→就職初期から条件が変動したほうが満足度が高かった
■手にしたものと幸せ
なんでも思い通りにはいかない世の中で
欲しいものを手に入れた人が幸せになるのではない
→手に入れた物を欲しいと思える人が幸せになる
■自己の欲求を正確に把握できないことがある
愛と恐怖はお手手をつないで進んでくる
フィジカルな要素が強いシーンに身を置くと
自分の感情を取り違えることがある
→自分が欲しいものが分かっていない
■幸せと環境
ひとびとは
常に幸せにつまづいており
常に環境に順応している
by社会学者ダニエルギルバート
■お金があれば幸せか?
出来ることの選択肢が増えるから幸せだろう
物質的には快適でも幸せは多面的なので幸せとは直結しないだろう
多すぎる選択肢は良い決断をするのを妨げるともいう
→ある時点までは正の相関が見られるはずだが以降は変わらない
■GDPと相関関係
GDPが高い国の国民の方が幸せを感じている
マクロ的には幸せだが個人レベルでは相関が難しい
日本の所得は戦後5倍になったが幸福度は変わらなかった...
年収2万ドル以下幸福度低
年収2万ドル以上幸福度中
年収5万ドル以上幸福度高
年収10万ドル以上幸福度高
年収100万ドル以上幸福度高
→一定以上は変わらない
■金と幸福
「私は大金を持っている貧乏人のように生きたい」
重労働と慎ましさはあっていい、絶望と貧困はないほうがいい
大事な人と過ごす時間をつくろう」byピカソ
■マシュマロテスト
待てなかったら1個だよ
待ってたら2個あげるよ
今日の120より今日の100
ウォールターミッシェルの報酬テスト
70%の4歳児は待ちきれずに食べた...
■直感と理性のぶつかり
直感を素直
理性は自己を制御しようとする
今日の100ドルと一ヶ月後の120ドル
これが積み重なって大きな差となる
■追跡調査
マシュマロテストで我慢したセルフコントロールが出来る人を追跡
待つ事ができた物はSAP大学進学試験の結果がよく
収入の高い仕事につき、安定した生活をしている場合が多かったという...
■誘惑と直感と理性
誘惑から逃れる方法は誘惑に屈することだbyオスカーワイルド
欲望に屈する生き方と調整する生き方
自分にとって大切な物を知り
直感と理性を調整し必要なときに直感を大事にする
セルフコントロールを選択でなく習慣とする
情報と理論に裏付けらたことを実践し分析する
■直感と理性が教えてくれるもの
直感が教えてくれるもの
あなたが今ほしいものを教えてくれる
理性が教えてくれるもの
あなたが10年後にほしいもの
明日のあなたを幸せにしてくれるものは分からない
■選択と幸福度の観察
あなたが何かを選ぼうとしている
個人を掘り下げるだけでなく
他人の選択と数年後の未来を見る
直接幸せですかと聞いても意味がない
→幸せそう見えると直感で思う人生を過ごしている人と
同じ経験をしてみると幸せを感じる結果を得られる確率が高まる
■しないことを選択した場合の後悔
しなかったことの後悔:した後の後悔の割合は2:1程度だという
出来るだけやってみたほうが良い
その選択を成功させるために選択を洗練させる
→選択の本質は芸術であり、みな違うことを追い求めている、何でもやってみよう
■成功した個人に共通する資質
他の人が選択の余地がないと思うところに選択の余地を見つけ出す資質
目的達成のために選択をし続ける姿勢
選択を積み重ねて選択を洗練する
→自分自身を発見するための彫刻を続けている
■まとめのことば
私は自分が知っていることを発見するために書くフラナリーオコナー
私は自分が何者かを発見するために選択するシーナアイエンガー