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雨天炎天+

雨天炎天―ギリシャ・トルコ辺境紀行 (新潮文庫)

雨天炎天―ギリシャ・トルコ辺境紀行 (新潮文庫)

雨天炎天
ギリシャ・トルコ辺境紀行
村上春樹


ギリシャ
アトス神様のリアルワールド


印象的なことばメモ
宗教的聖地として完全な自治を政府から認められている
物質主義に失望しそれにかわる価値観としての宗教に目覚めた若い人々
彼らは実際にひとりひとり違うのである
隅から隅までストイックな厳格な土地というわけではなさそうである
要するに彼らにとっては宗教が世界の中心であり思考領域の中心である
無理は心の安らぎであり神の微笑です火災から守りましょう
その単純さと手入れの悪さが風景に馴染んでいる
本質的な不寛容さと言ってもいいだろう
外人を積極的に受け入れる日本の禅寺とは全然異なるのである
土地の酒というのはその土地なじめばなじむほどうまい
仏教徒と答えるよりは高度資本主義京都とか言うふうに答えておけばよかったのかなぁ
われわれはあなたとは違う時間制の中で生活しています
祈りは大体3時間から4時間続きます特別な日には10時間くらい続きます
それはあらゆる状況含んだ音で録音して聞かせてでも多分伝わらない
いちどガイコツになってしまうと外見的に聖人も非聖人も区別がつかない
愛は消えても親切は残る?
異郷にあっては我々の思惑通りに物事を展開しないそれが旅ある
それはそれで幸せな人生なんだろうとは思う、僕らの人生ではない
修行の邪魔になるからといって自分の住んでいた家をさっさと焼き払って...
崖の上に上に移動して行ったそうである
私はそれほど簡単に物事に感動しないどちらかと言うと懐疑的なタイプの人間だが...
本当はどっちがリアルワールドなんだろう??


トルコ編
チャイと兵隊と羊
トルコは兵隊の多い国である
トルコは珍しいくらい一貫して孤独な国である
おもちゃでいっぱいの部屋ないれられた子供そのままだったからだ
こちらが気楽に出れば帰って上手くいくんじゃないかという気がした
朝起きるとチャイを飲む散歩の途中でチャイを飲む
人間は弱く人生は有限なんだなとふと思った
土地の人々は皆座ってのんびりと釣り糸を垂れていた
大の男が4人で猫の帰りをじっと待っているというのはどこか間抜けである
トルコ人の大丈夫はあまり大丈夫じゃないことが多い
あまり抱え込むと自国内の民族問題傷ついてしまう可能性が出てくる
実際犬に食い殺されている人も多いようである
その風景に含んでいたもの傷つけて損なってしまうんじゃないかという気がしたからだ
チャイはないと言われチャイとチーズパイが出てくる
何を話すか話す前から全部わかっているのである
どこから来たか何をしているかどのくらいいるのかどこに行ったかどこに行くのか職業は何か
開いた深谷の見ているような目つきだった
みんなタバコほしがりなのだ
あっちの人はこっちの郵便局には入れない
次にどこでかけるかも悲しかけるときに書いておかないと
彼女は知らないのだ、ホテルに電話なんてないこと


■感想
ギリシャ
宗教色が薄い日本にとってはまったく浮き世離れした島だと思う
特別な島で特別な時間を過ごすのは強烈な印象が残るし文面からも伝わってくる
もちろんイメージと実体は異なるところがあるし細部は分からないけど
宗教は祈りに多くの時間を使う
自分の内面を探索するには非常に良い効果を生むかもしれない...
トルコ
民族問題は根深い、それはどれだけ時間がかかるか分からない
それでも同じまちで入れる場所と入れない場所があるのは理不尽だとおもう
また触れられたくない問題を隠すことは本当は有るべき姿ではない
計画通りにいかない旅の醍醐味、旅の出会いは出会った人に何かを強烈に残す...