Riverside Learning LABO(Skill/Idea/Code)

よりよいシステムのため工学系と人間系の学習下書きメモ

銀河鉄道の夜

新編 銀河鉄道の夜 (新潮文庫)

新編 銀河鉄道の夜 (新潮文庫)

銀河鉄道の夜
著者:宮沢賢治


「私という現象は仮定された有機交流電燈のひとつの青い照明です」
春と修羅」第一集の「序」より


久々再読。

□あらすじ
友達とうまく付き合えない主人公ジョバンニ
祭りの夜に考えごとをしながら草原で空を見ていた
気づいたら親友カンパネルラと鉄道に乗っている
2人は銀河鉄道にのってどこまでも旅をする
命の儚さと尊さと美しさと出会う・・・
悲しいけれど希望に満ちた物語


印象メモ
どこまでも一緒にいこう・・・
幻想四次元世界を旅出来る切符
それがジョバンニの切符
これは生と死の物語
自分のためでなく他人のために前向きに生きる
大切な人を失ったときに前に進めるだろうか?


銀河鉄道は悲しみを乗り越える列車
どんな暗闇だって行ける
死を美化する必要はない
誰だって本当にいいことをしたら幸い
ことばたけでなく会いにいって・・・


井戸の暗がりに落ちていくサソリ
どうして素直に食べられてやらなかっただろう
真っ赤な火になって闇を照らす
なぜわたしはわたしなのか
いやわたしはあなただろう
ひとしずくにも宿るわたしというかたち
世界全体が幸福にならないうちは個人の幸福はありえない


峠の登りも下りも本当の幸いに近づくための道
幸せを求めていく過程に本当の幸いへの道がある
あんな闇の中だって怖くないという
個別的な出会いと絆が幸せにつながる
つながりのなかで生かされている・・・


□補足メモ
種山ケ原、北上川、岩手軽便鉄道という原風景
震災と妹との別れ
銀河鉄道は賢治のリアルそのものを描いた
童心を失っていない作家
想像力を働かせればどこにでもいける
日常を芸術に