読書 お伽草紙
- 作者: 太宰治
- 発売日: 2012/09/27
- メディア: Kindle版
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印象的な言葉メモ
昔話の登場人物の心情が自由に描かれる。
変わらない人間の未熟さ、可憐さ、教訓となる言葉。
性格の悲喜劇といふものです。人間生活の底には、いつも、この問題が流れてゐます
好奇心を爆発させるのも冒険、また、好奇心を抑制するのも、やつぱり冒険…
美しい花が咲いてゐると信じ得た人だけが、何の躊躇もなく…向う側に渡つて行きます
野心があるから、孤独なんて事を気に病む
客を迎へて客を忘れる…
お互ひ他人の批評を気にして、泣いたり怒つたり、ケチにこそこそ暮してゐる陸上の人たちが、
たまらなく可憐で、さうして、何だか美しいもののやうにさへ思はれて来た…
まことに無邪気と悪魔とは紙一重である
絶対の強者は、どうも物語には向かない
優しい言葉だけは、ごめんだ…
年月は、人間の救ひである。 忘却は、人間の救ひである