Riverside Learning LABO(Skill/Idea/Code)

よりよいシステムのため工学系と人間系の学習下書きメモ

読書 日本人を考える(前半)

日本人を考える
司馬遼太郎対談集


古い本だが恐るべき先見性を垣間見ることができる本


「日本は無思想時代の先兵」
大学の数が多ければ多いほど良い
単層社会から重層社会へ
徳川家の先祖はとき時宗の遊行僧
日本は組織のためにエネルギーを捧げる、これはかなりきつい文化だ
思想と言うものは伝染病みたいなもの
1900年から1,950人が江戸明治の解体期
破壊工学いかに上手に壊すかと言う技術
ものを作るときに初めから壊すときのことを考えてことつける
何もしない人間が必要になってきた
情報産業はまだ黎明期、能率を上げるための手段ではなく想像というか遊びの生死に関わりがある
政治も仕事も調整しかないのなら機械的コントロールタワーになってしまえばいい
大東亞共栄圏が日本の国防思想の原型だがそんなことができない、世界の交差点で酒盛り皆が避けてくれるようになると良い


「あっけらかん民族の強さ」
政治とはフィーリング、民族同士の好き嫌いの感情抜きにしてはわからない
日本は相対的思考法の国です
祖父の姿で絶対がないことを知り、さらに絶対性を考えるようになる
日本人はよく言えばお人好し、悪く言えば無責任
カトリックはただ1つの神が絶対的な存在で後は全て相対的
日本の場合は他所から借りてきて使い回して新しいものをよそに求める
西部開拓で落語者や病人も多く出て救済するのが宗教の1つの役割だった
欧州の考え方、原則と秩序と能率、疲れる
日本民族の相対的思考体質は我々を救っているのかもしれない
融通無碍、日本人と言うのは大変バイタリティーがある不死鳥のような民族
外国へ出ていく必要がある
原則を守る粘着質の強い民族がたくさんいる中で、
あっけらかんとした性格を保ちつつ、対等に渡り合っていく必要がある


「西洋が東洋に学ぶ時代」
西洋文化東洋文化も両方理解している民族は文化的チャンスに恵まれている
禅をやって悟りを開くのは天才だけ
明治以降の日本の発展に、儒教が貢献した
今うちにこもる時期ではないか
日本は二本の足で歩く必要がある、東洋の足と西洋の足
南無妙法蓮華経今日は外へ外へ
南無阿弥陀仏はうちへうちへ
狭い島国の中の単一民族の中で排他的なエネルギーが大きく1つあると困る


「日本の繁栄を脅かすもの」
イギリスの苦しさと言うのは核兵器を持ったことが原因だと考える、1度持てば手放せない
国連ではエネルギーの使用量を文化水準の指標に良いとしている
査察にも言い分を聞いてもらい理詰めで反対できないようにする
日本の人工衛星日本の原子力発電世界に疑われる時代があった
日本としてはこれだけは一流になるを決めてそれを推進する
フランス人は財産の3分の1を外国の銀行に3分の1を金銀財宝に残りを数字で出している


「政治に教科書はない」
和睦論を引っ込めて徹底交戦し逆にやらされて相手の力を仲間に理解させる
日本人は日本が嫌になっても外に出て行かない
無能な人間ほど精神主義をやかましく言う
時代時代の政治情勢で口封じのフレーズを集めていくと日本人の意識史がわかる
大久保利通は長期のビジョンも構想でき実現するための手はずも考えることができた
大仕事がしたいならおべっかを使ってでも俺の権力を利用してみろ
権力の秘密を知るには異民族を統治するのが1番良い
日本は井の中の蛙でやがて大戦で負けるだろう
世論は官僚の議論であって政治家の議論ではない
血で血を洗う暗闇と混乱があったからこそ妥協の機会主義が生まれている



「若者が集団脱走する時代」
時代の特徴や問題は若い世代に極端化して反映されやすい
社会は30年で秩序の動脈硬化がどうしようもなくなる
思春期に精神的な発展に失敗する人々はおしなべて仲間を作れない、仲間を作ると社会の規則や圧力に打ち勝てる
他人の中に自分と同質のもの見ることで仲間が成立する
健康な状態になるためには困難な状態に落ち込むことが必要である
父親が後に精神世界の扉を開かせる存在、敵として
出くわした困難を受け止めていく姿勢が大事である
困難に立ち向かってこそ進歩がある
人間社会は善意の独裁者が運営してるのが1番効率が良い
自分の外側だけをいくら批判しても本当の解決にはならないと思う、そこを若者には伝えたい
自分の足している集団を相対的なものとして受け止める